株式会社クラレ

コア技術

微細加工技術

ミクロンオーダーの微細な三次元パターンの“型”への加工を微細加工技術と呼ぶこととします。
ここでは、クラレが持ついくつかの微細加工技術を紹介します。

フォトリソグラフィ

フォトレジストと呼ばれる有機材料に、紫外線などを照射します。照射された領域のフォトレジストは、化学反応によって物性が変化し、結果として照射領域と非照射領域の現像液への溶解性が異なります。この性質を利用して、表面に三次元パターンを形成することができます。一般的に、紫外線照射で可溶化する材料をポジレジスト(紫外線照射前は現像液に不溶性)、不溶化する材料をネガレジスト(紫外線照射前は現像液に可溶性)と言います。
フォトリソグラフィの工程においては、以下に挙げる様々な因子が最終的な三次元パターン形状に影響を及ぼします。

・ポジもしくはネガレジストの選定
・紫外線のエネルギー量
・現像液の濃度や現像時間
・前処理および後処理の温度や時間

当社には、光ディスクを手掛け始めた時代から蓄積された多くのノウハウがあります。それらを活かしながら、所望の三次元パターンに最適な条件・方法を選択しています。

複雑な三次元パターンを作製する場合には、紫外線の照射方法を工夫しています。フォトレジストに照射されるエネルギー量に依存して三次元パターンの高さを制御できます。そのため、紫外線に強度分布を与えることで、複雑な形状であっても具現化することができます。
ここで説明したフォトリソグラフィで得られる3次元パターンは、樹脂材料で形成された“マスター形状”です。したがって、このまま精密成形を行うための“型”として使用することはできません。そこで、後述するスタンパ化処理が必要になります。

旋盤加工

まず、ダイヤモンドなどの超硬材料を加工して、所望の三次元パターンとなるような切削刃を作製します。次いで、ニッケル、銅や真鍮などの金属板を切削刃で切削することにより、型を作製することができます。この型を精密成形に用いることで、三次元パターンを有する様々な製品が製造されます。
なお、切削する金属板が平面板の場合を“フレネル旋盤”、ロールの場合を“ロール旋盤”と呼びます。これらは、三次元パターンの形状や、最終製品の構造(厚肉のシートであるか、薄肉のフィルムであるかなど)によって最適な方法を選択します。

もちろん、レジストの三次元パターンとは反転された形状がスタンパに形成されているため、精密成形時には所望の製品が得られます。
また、作製した型のスタンパ化処理により、同じ型を複製することも可能になります。これにより、寿命による型の劣化や、人為的ミスによる破損があったとしても、準備しておいた予備の型を用いることができます。したがって、製造工程への影響は軽微であり、大切なお客様に対する納期遅延のリスクも低くすることができます。

スタンパ化処理

フォトリソグラフィで作製したフォトレジストからなる樹脂マスターは導電性が無いため、スパッタリングにより導電化処理が施されます。
次に、導電層にニッケル電鋳処理を行います。これにより表面に三次元パターンが形成された、数百マイクロメートルの厚みのニッケルプレートを得ることができます。このニッケルプレートを“スタンパ”と呼び、様々な精密成形に用いています。

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